本来は中世城館跡めぐりがテーマのはずでありました。もっとも最近は加齢と共に持病が蔓延し本業が停滞傾向に...このためもっぱらドジなHP編集、道端の植物、食べ物、娘が養育を放棄した2匹のネコなどの話題に終始しておりまする。なお2007年末から漸く群馬方面へと進出し、2008年6月には福島中通り方面、11月には栃木県南、12月には茨城県南、2009年2月には千葉県北部、5月には山形県村山地方と少しだけ領域を広げ始めております。              (2009/05/21 説明文更新)
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「東京の地名」筒井功 著 河出書房新社 2013年刊行 
税別1800円

東京都内の地名を題材にしてその地名の語源、由来を推察する論考である。
山手線の駅名にはじまり都心部、中央線の一部、下町、旧武蔵野地域、奥多摩、伊豆・小笠原諸島などの地名の成り立ちについて論究している。その手法は角川書店「日本地名大辞典 東京都」をベースに「大日本地名辞書」「地名の研究」(柳田國男)を引用しつつも、著者の長年にわたる研鑽に基づき独自の比較対照による解析を行った力作である。
阿須和、百目鬼、垣内(カイト)、上荒久、ハケ上、根古屋などの地名についての論究もありがたい。
その分野からはいくぶん専門領域における研究書というような趣があるものの、地名が有する豊かな歴史、文化、民俗の側面がわかりやすく著述され一般的な読み物としても十分に通用する構成となっている。
地名は音にはじまり、次第に転訛し、美称を含めてさまざまな漢字を充て地名の持つ本来の字義から遠ざかっていくという事例について、先人の事績に学びつつ民俗学等の手法を用いて解明していく過程はおおいに興味深いものを感じさせるものがある。
地名の成り立ちに関して「安易なアイヌ語、朝鮮語語源説を否定する見解」についてはもう少し著者の見解を披瀝して欲しいところだが、これについては別書である「日本の地名」2011年 (河出書房新社 刊)を参照すれば補える模様である。
なお余談ながら地名辞書代わりに使用する場合においては、巻末の参考文献一覧、引用文献一覧とあわせ掲載地名の索引が欲しいところではあるがこの価格では難しいのかも知れない。
著者は元共同通信社勤務で、従来の学術団体には帰属しないフリーの民俗学・地名研究者である。

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