タイトルの本は、嵐山光三郎氏が記した年をとって初めてわかる日常の些事について独特のユーモアを交えて綴ったもの。加齢に伴う体の劣化を楽しむという姿勢に共感しつつもどこか悲しみも感じるエッセイ。
崩れていく自分の人間性を恍惚として眺めるという境地には到底辿り着けそうもないが、こと眠たさに関しては大いに共感するところがある。嵐山氏の本は90年代の初め頃に数冊を読んだ記憶がある。その文化人との交流範囲の広さ、著者の博識が嫌みの無い程度にちりばめられ嵐山節は今も顕在の模様である。
なお、たまたま同時に読んでいた地名に隠された災害史を記述した「地名は警告する」の編著者である民俗学者、地名研究者谷川建一氏(2013年8月没)に関するエピソードの記述が登場していた。これによれば谷川氏は著者の平凡社社員当時の上司でもあったという。数多の出版物が溢れる昨今では奇遇というるのかも知れない。なお、谷川氏の兄弟は日本エディタスクールの創立に関わっていたが、偶然にも現専務理事の方と面識のあったことを思い出した。
「週刊朝日」連載に連載された「コンセント抜いたか」のシリーズを加筆訂正して単行本化した作品である。
「年をとったら驚いた」嵐山光三郎著 2014年 新構社刊 1400円税抜き
2009年制作の「ネコストーカー」というタイトルの映画をレンタルDVDで見た。
主人公の女性は本業は売れないイラストレーターで流行らない古書店のアルバイトをしながら、地域ネコやノラネコたちとの出会いをただひたすらに求める生活を送っている。
単に風変わりな主人公といってしまえばそれまでのストーリーなのであります。
かく言う自分も国道を走行中にブロック塀の上で大人しく佇んでいる白ネコを発見して、とても嬉しく思う人間なので共感すること余りあるのであります。
さて、そのネコさんはといえば交通量の激しい国道沿いの家に飼われている事情からか、ハーネスが固定されたままなのでその行動は大きく制約されておりました。
ネコさんの安全とストレスの双方に配慮した飼い主の方の優しさを感じるのでありました。
と、30メートル近く離れた対向車線から信号待ちで眺めていた暇人なのでありました =^_^=