本来は中世城館跡めぐりがテーマのはずでありました。もっとも最近は加齢と共に持病が蔓延し本業が停滞傾向に...このためもっぱらドジなHP編集、道端の植物、食べ物、娘が養育を放棄した2匹のネコ(※2019年11月末に天国へ)などの話題に終始しております (2009/05/21 説明文更新)
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武蔵国入東郷の地下人小頭@和平
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定年を過ぎました~
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「余り遺構の無い城館跡めぐり」と「ネコいじり」並びに「観葉植物の栽培」など数だけは
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この日はたぶん珍しく体調が良かったのだろうか、めっきりと衰えた気力を振り絞り午前3時過ぎに自宅を出立。
今回は片道5000円近いことから、やはり高速代30%深夜早朝割引といのは大変大きいものを感じる。
とはいうものの、当初は自分の歳を考えて午前5時頃発を予定していた。
しかし午前2時半に目覚めたということもあり、そのままの勢いで動くこととなったのである。
前日からの睡眠時間も6時間前後を確保していたこともあるのか、懸念された「自分の運転による車酔い」といった症状は余り感じられなかった。

さてこの日の天候は早朝から日没まで降水確率ゼロ%の快晴予報であった。
ところが日が昇り始める時刻となっても、一向に明るくなるという気配が感じられない。
おまけに群馬県から長野県へと山越えした佐久辺りからは次第に濃霧が発生。
さらに更埴JCを過ぎ姨捨SAの辺りに近づくと、とうとうフォグランプが必要なほどの濃霧となってしまったのである。
このため沿道の速度制限も50キロメートルを示していたが、多くの車はなりふりかまわず高速で疾走していたが、当方は時速70キロメートルほどで控えめに安全走行に協力。
早朝の時間帯ということもあり習熟した運転者が多いのかはなどについては不明だが、アップダウンとカーブの多い長野地方自動車道を時速100キロメートル以上で走行するドライバーが目立っていたように思うのではあるが・・・


高山城/長野県塩尻市
午前8時10分から8時40分

到着予定時刻そのものについては当初の目論見通りの結果となりました。
しかしこの後は移動時間も含めて次第に押し気味のタイムスケジュールとなっていきました。
というのも、現地到着は午前7時30分前なのでしたが、場所が塩尻インターの近くであり且つ国道20号線の交差点にも近いことから、地元の方々通勤ルートのマイカー通勤ラッシュの渦中に遭遇してしまうことになりました。
このためウロウロと車を止める場所を探しているというような交通事情ではなく、まず道程にして500メートルほど離れた車の走行に支障の無さそうなポイントを探し当てるまでにすでに20分ほどの時間を要することになりました。
加えて当初に想定していた徒歩でのアプローチ計画が、崖地地形とネットフェンスに遮られて事実上の行止まりとなり近道が不可能となっておりました。
このようにして現地に徒歩で到着するまでに何と30分以上を要することとなってしまったのであります。


国道20号線陸橋付近から穂高岳方面を望む


同じく塩尻インター付近からの展望


電波塔が視界を妨げていますが、たぶん白馬岳方面かと思われます

ここは「アルプス展望しののめの道/広域農道」とも呼ばれている北アルプスを展望するには絶好の立地でありました。
このためそうした光景の撮影に占める割合が増大して、本来の城跡巡りに要する時間が削減されるという逆転現象が発生しております。

さて肝心の城跡の様子ですが、この地域の中世城館に造詣の深い宮坂武男、三島正之氏の両者ともに、当該「発掘調査報告書」の成果を引用する形で、両氏ともに中世城館との関連性についてはかなり慎重な姿勢を示されています。
なお今回は時間などの関係で北西方向の「段曲輪地形」を中心に拝見して参りました。
表面地形の印象としては確かに少なくとも3段ほどからなる腰曲輪状の地形が連続していることが確認できます。
しかしそれが「塩尻市誌」の記述のように「桑畑跡」と判断するべきなのか、城館跡との関連付るのかについては正直なところ判断に迷いました。


アルプス展望しののめの道より高山城全景


主郭とも言えなくもない削平地


主郭から北西方向に向かう段曲輪群



小坂田山物見/長野県塩尻市
午前9時5分から10時00分

事前の情報ではかなり公園化されているということから、尾根筋へのルートは盤石であるいう大きな勘違いをしておりました。
宮坂氏によると「物見」と想定されている箇所までは、のんびりと遊歩道に誘われるものとイメージを想定していたのですがさにあらず。


小坂田山の稜線

現実にはその後のマレットゴルフ場への改装なども加わり、時の経過とともにかつての遊歩道自体は一部の丸太の階段の痕跡を残し概ね消失しておりました。
このためマレットゴルフに勤しまれている高齢者の皆様の視線を気にしつつ、尾根筋へのルート探しを行うといったような羽目に陥ったのでありました。


斜面地形を生かした見事なまでのマレットゴルフ場
見ようによっては新造の帯曲輪地形にも見えなくもありませんが(笑)

そもそもこの場所については所要時間は概ね30分前後ほどを見込んでおりましたが、往復にして約400メートルほどの腰高ほどのクマザサの藪漕ぎを余儀なくされてしまい、結果的に1時間近くの時間を消費することとなってしまいました~


画像中ほどの奥へと続く幾分クマザサが凹んでいる部分がかつての展望台方面へと向かう遊歩道であったものと推測されます。
一部に丸太製の階段が遺存しておりますが、これがクマザサに遮られるとほとんど足元が見えません。
まだ上り坂の場合はあまり問題がないのですが、下り坂になると些か滑りやすく転びやすいという羽目に陥るのであります。

肝心の遺構については自然地形の緩やかな小ピークが確認できるだけで、かつては展望台として整備されたと思われる個所も木々の叢生により視界が遮られて森林浴の小一時間を過ごすといった塩梅になりました。


首塚・胴塚ほか/長野県塩尻市
10時20分から11時00分

「塩尻峠の合戦」により亡くなったとされる人びとを慰霊した塚で、首塚などの石碑が建立されています。
耕作地の一角に所在しておりますので、農地には入り込まないよう見学にはくれぐれも失礼のないように心掛けたいものです。
同時代の信頼できる史料には見当たらないとされていることもあり、どちらかといえば伝承性の強い性格のものという印象もありますが、兎にも角にも地元の方々に大切にされている歴史的遺産であることが覗えました。


首塚の石碑等

天分年間に起きた「塩尻峠合戦」の場所については、現在の塩尻峠のほかに勝弦峠周辺という説があるようですが、合戦の規模やその経過などについては支配者としての武田氏側からのものが多く、同時代の史料に乏しく不明な部分が多いとされているようです。


首塚の所在地は丘陵緩斜面の耕作地なので、この辺りからも西方の穂高岳などの北アルプスの山並みが映えます。

今回も時間と体力・気力があれば、塩尻峠付近の実地踏査を視野に入れてウロウロと歩き回ろうとも考えておりましたが、今月初めの「クマの出没多数」という事態も加わり、こういったことも20年前ならばいざ知らずこの年代となっては断念せざるを得ませんでした。

近くの八幡神社の独立丘陵地形が気にかかり参拝してまいりました。
むろん城館跡などの伝承は無さそうですが、布陣に際して地形上の有利性を感じさせるものがありました。


八幡神社境内の切岸上地形ですが、具体的な時代背景や経緯は分かりません(;^ω^)


暫時車を止めさせていただいた公民館近くの農道沿いに成っていた柿の実。
折しも秋の日差しにキラキラと照り輝いておりました。



桟敷城/長野県塩尻市
11時20分から11時50分

首塚方面から車で移動いたしますと、公道とはいえ集落内の狭隘な道路幅員のため幾度となく迂回することとなりました。
それでもナビに表示されている現在位置と桟敷公民館という目標物を頼りにして些か迷いつつも
現地到着しました。
こちらでも桟敷公民館の駐車場を暫時お借り致しました。

「塩尻市誌」の記述によりますと、その歴史的背景については不明としているものの田川地域を支配地とする在地勢力の城館跡という誠に無難な表現となっておりました。



付近の土塁状の地形なのですが、「塩尻市誌」などによりますと城域外となるようなのでありますが、余りに見事な土塁上地形を呈しているので想定される城域を拡大したいという妄想に捉われました (笑)


桟敷城の所在を示す案内板で、この辺りが城域の南限と推定され堀跡の名残と推定されている窪地地形が残存しておりました。


「塩尻市誌」などの記述によりますと、画像右側の比高差2メートルほどの微高地地形が城跡の名残を示していると考えられている模様です。


この辺りは標高が700メートルとやや高いことも影響し、朝晩の冷え込みが厳しいことから路傍のコスモスもそろそろ盛りを過ぎ始めておりました。



南熊井城/長野県塩尻市
12時05分から13時25分

こちらは今月9日の再訪でもあることから遺構の特徴や規模などについては学習済みです。
またこの日の天候は降水確率ゼロ%の快晴で、しかも全3日間の降水もほぼゼロであり足元の地面には何の問題もありませんでした。
前回は見学の終盤頃から次第に雨模様に変わり、降雨に弱いデジイチ保護という面からも南西部の遺構の様子を拝見するには至りませんでした。
尤も未だ10月下旬とはいうものの、やはり秋の日差しは短くなりデジカメ撮影に相応しい光線の加減は残り3時間ばかりとなってしまいました。
とはいえ往復約500キロメートルの道程ということもあり、今後において再々訪という可能性が皆無に近いことからできるだけ念入りに拝見をさせていただくことといたしました。


西麓の松林寺側から眺めた城跡の丘陵地帯


城跡北東角付近からの様子で、この辺りから眺めると遺構の状態が最も良さそうに見えてしまうアングルです。
しかし肝心の主郭部については概ね耕作地化されております。


再訪ということもあり、主郭北側の横堀地形で現存する城跡遺構の特徴を把握しやすいアングルでの撮影を心掛けてみました。


主郭南側の空堀部分です。
堀幅は上面で約8メートル弱、切岸ともなる主郭側の深さは約2.5メートルから3メートルほどを測りますが、往時にはたぶんその倍ほどの深さを有していたのではないかと想定されます。


薬師堂の裏側の様子です。
現状の遺構の配置やその状況からは、寧ろこの辺りにこの堀底道経由の虎口ルートが存在していたようにも感じましたが果たしてどうなのでありましょうか。

前回の時にはこの辺りから雨が次第に降り始め、自分の現下の足回りでは転倒の可能性も案じられたことから、この付近の探索を行うことができませんでした。
今回は天候も申し分なく、足元の方も多少は復活傾向にあったことから、法面保護に留意しつつも、空堀は堀底まで下り、土塁は必ず登ってみるという以前の姿勢に立ち戻ることができました。


北熊井城/長野県塩尻市
13時45分から15時20分

この日のメインの城跡です。
前回はこの辺りから次第に本降りの降雨に変わっていったこともあり、主郭部を反時計回りにぐるっと一周したのみに止まりました。
このため今回はできるだけ念入りに踏査してみることを心掛けました。
しかし次第に時間が経過するに従い往路の運転と午前中の踏査による疲労感などが蔓延し始め、改めて「加齢」という現実を実感するに至りました。


城跡が所在する丘陵
高ボッチ高原から西方へと連なる丘陵を生かした縄張りで、各郭群は南北方向に刻まれた空堀(堀切とも)により区画されています。


東側の郭付近の農道脇に咲いていたコスモスの花
幾度かの降霜の後に気温が氷点下を下回る頃に枯れ死するものと思われます。


東曲輪付近の南側空堀
左側の農道整備との関連なのか、南側の空堀の規模はこの辺りが最も大きいように感じました。


主郭北西部の通称狼煙台付近から眺めた北アルプスの山並み
画像の説明はあくまでも推定なのでありますが、たぶん著名な槍ヶ岳については常念岳後方に聳えているはずなのですが、この辺りの標高が760メートル前後とそれほど高くはないためにその陰に隠れてしまうものと思われます。


一応は虎口付近とされていますが・・・
この主郭部の虎口付近については一定の地形の改変が加わっているようにも思われ、本来の虎口の形態を見出すことが難しいような気がしました。


大手門とされている辺り
大手口の辺りについても後世の農道の整備などにより、一部の土塁などが消失しているように思えます。


通称「中ノ城」とも呼ばれている郭南の土塁と空堀(横堀)で、この辺りの土塁と空堀などの遺構状態は良好でした。


北熊井城の西端部で天然の谷川が流れ下り城域を区画していました。
このあと古い五輪塔を探すべくさらに西へと進もうと思ったのですが、太陽光発電所のネットフェンスに遮られるとともに、加えて雲霞の大群を目前にして気力と体力が底をつき始めて断念をいたしました。


城下(根古屋)とも考えられている「町村」方面
「古堂」とも呼ばれている辺りまで足を延ばすべく気力を振り絞ったのですが、喉が渇いて脱水気味となり敢無くこれにて撤退と相成りました。


帰路は現地を午後4時前に出発。
暫く松本市内の国道19号線を北上し当初の予定通りに同地域の道路事情を頭に刻み込む。
次に安曇野インターから長野道へ入り、姨捨SAにて土産購入。
その後更埴ジャンクションから上信越道を経由して湯ノ丸SAにて満タン給油。
かくして自宅到着は午後8時半前となった。
片道250キロメートルの日帰りは些か厳しくなりつつあることから、恐らくはこれが最後なのかとも思う。

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