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自分の場合には、ひとたび出向いて気になり始めると同じ方面に何度でも出向くという習性があるらしい
ということで、この日は同行の軍曹さんのご案内で上田市よりは幾分埼玉に近い長野県小諸市内へ
小諸といえばやはり懐古園の小諸城
高速道路未整備の時代である半世紀ほど以前に観光で訪れてはいる
先週の上田城で懲りていることから、態々この方面の観光シーズンに出向くこともなかろうと考えむろん今回はパス
その当時は車で早朝の5時頃に自宅を出発、碓井バイパス完成以前なので現地到着は正午近くに
当時は近くの鹿沢、池の平、浅間山付近もよくでかけていたが、当時は現在と比べ中世城館跡に関する情報は皆無に近く、二、三の個所はふらりと訪れている可能性はあるが、昔日のことゆえ完全に失念しまっている
バブル到来のはるか以前、当然リゾート法や公有地拡大推進法も施行以前
ゴルフ場開発、別荘地開発もなかった時代、1960年代半ば頃のことであったと記憶
現在所謂ドライブインは衰退し、道の駅などに取って代わられているが、当時は未だドライブイン自体が少なくあったとしても、些か比喩が時代がかるが「峠の茶屋」に近いものでもあった
高速道路が整備された昨今では所要時間は正味で約2時間弱、休憩1回を含め、所沢インターからたったの2時間半ほどで現地到着となった
凸富士見城(長野県小諸市)
午前7時50分から8時45分
飯縄山公園、または小諸高原美術館といった方が分かり易いのかも知れない
上信越道のトンネルの真上がこの城跡
全山総石垣造りと形容すると誤解されそうなくらい石垣だらけ
恐らくは近代以降の主力産業となった養蚕を下支えするための桑畑開墾などにともなう石垣も少なくは無いのだろう
公園としての整備が行き届き、この時期でもある程度の遺構観察が可能
また石垣の年代観を観察するための材料には事欠かない城跡でもある
そうした石垣を別にすれば堀切、小口などに城跡としての面影が色濃く感じられた
しかしこの日は晴天であったが、残念ながら城跡名の由来とされる富士山方面の眺望は効かなかった
たぶん11月以降の晴天である程度風があればその姿を目にすることができるのだろう
凸菱形城(長野県小諸市)
午前9時05分から9時25分
徒歩で5分ばかり離れた近くの菱野公民館に駐車させていただいた
かつての推定郭跡に所在していた畑やゲートボール場には現在では太陽光パネルも多く設置されていた
堀跡(堀切)の一部は現在でも僅かに面影が感じられる
凸城の峯館(長野県小諸市)
午前9時50分から10時10分
付近に駐車スペースの確保に難があり、菱形城からそのまま徒歩移動
地図で見る限りでは僅かに600mほどの道程だが菱平集落内の道は明らかな上り坂
先週の疲労が残っているのかは不明だが、忽ち息切れと発汗
これで動悸が加わると危ないが、幸い心臓の方は平常であった
用水の石碑と郭状地形などを確認
凸丸山(長野県小諸市)
午前10時30分から11時00分
公民館へと戻り小休止後に車で上信越道南側の丸山近くまで移動
この辺りの地形は南北方向に河川の流路が刻まれているため東西方向の移動制約が多い
この地点から富士見城へは指呼の間でもある
この場所でも一部石垣が散見される
むろん耕作地開墾との関係も無視できず
目印となる石仏の祀られている地点までは到達
主郭から見て北側数十メートルの地点に天然の大岩を利用した小口にも見受けられる地形がのこされている
凸高津屋城(長野県小諸市)
午前11時20分から11時30分
ふたたび浅間サンラインへと戻り高津屋トンネル手前から北側の別荘地内の通路を迂回し浅間サンラインを超えて南側の別荘地内へと移動
めざす城跡である高津屋公園はこの別荘地内の小ピークである
どちらかといえば些かインフラ整備が行き届いているとは言い難い別荘地の一角の公園
建築物の建材とその経年変化の様子から判断すると、恐らくは1980年代中頃に開発分譲された場所であるらしい
リゾート法の推進、バブル経済の破綻、地方開発公社の経営不振などの経済政策の負の側面を象徴する景観でもあるようにも感じられた
地図などにも掲載されてはいるが、城跡でもある当公園を訪れる人は稀なのであろう
西側郭の土塁は視認できるものの、東郭のそれは夏草などに埋もれてほとんど見えず
かといって、今のところ晩秋から初冬に再訪する候補地となるかどうかは不明
凸東沢城(長野県小諸市)
午前11時35分から12時05分
東沢集落内の裏山のような立地で集落からの比高差は20m前後
石垣で造成された旧家のところから北西へと曲がり目当ての削平地(耕作地脇の行き止まりの通路)に駐車し南側の山林を見学
尾根筋の両側に腰郭ないし帯郭のような地形が散見
むろん耕作地跡の可能性は大きい
藪蚊と野荊にも遭遇し、結果的にこの日一番の藪漕ぎとなったが比較的距離が短いので問題なし
このあと周辺の蕎麦屋さんが定休日のため「道の駅雷電くるみの里」へと移動し昼食
ある程度有名な食事処でもあることから平日でも混雑していた
凸松井愛宕山城(長野県小諸市)
13時25分から13時35分
「道の駅雷電くるみの里」から戻り高津屋トンネル東側出口の車坂峠、高峯山方面という標識のある方へと右折し上信越道北側側道付近へと移動
城跡は上信越道沿いに張りだした尾根筋先端部に所在し南方の眺望に優れた地形
側道沿いからも行けるが比高差約40mの石段を登るのは辛いので「松井会館」(地域公民館ないし集会所)脇の参道からアプローチ
城跡には一応切岸、主郭、腰郭などは存在しているが城域としては小規模な部類
「松井会館」前には少なくとも3台分くらいの駐車スペースがあった
腰郭などには、かつての道路公団時代に設置されたと思われる児童用遊具が存在
さほどの利用がある様子も感じられず時の移ろいを感じた
凸長張城(長野県小諸市)
13時45分から13時50分
南北約50m、東西約20mほどの駒形神社付近が城跡らしい
いちおう土塁も散見されるが城跡との関係が明確であるとはいえない状況
境内が丘陵先端部の微高地である以外には目立った地形上の特徴は確認できず、いわゆる要害の地ではなさそうな印象を感じる
周囲との比高差は目測で最大で3mほどの台地地形
凸宮崎城(長野県小諸市)
14時05分から14時30分
諏訪神社境内とその周辺に城跡遺構が分散しているらしい
いずれにせよ堀跡、郭跡などは夏草等の繁茂で視認できず
神社背後の土塁は神社造立に付随するものである可能性が高そうに思われた
集落内の墓地に古い五輪塔の一部(地輪、水輪を除く上部)が安置されている
この時点で、個人的には本日の訪城目標をクリアした
凸上三田原城(長野県小諸市)
14時40分から14時55分
耕作地の奥の方に所在し軽でもやや厳しい道路条件
耕作地に隣接し徒歩で確実にアプローチできるようなルートが見つからずやむを得ず遠景観察に終始
たしかに平坦地の台地地形が存在していることはその外見からも判別できるが、小河川や堀跡地形に阻まれこの時期には容易に進むことは難しく感じられた
後述の針木沢城、十石城とは北川という小河川を挟み隣接
その相互関係が気になる
凸針木沢城(長野県御代田町)
15時00分から15時15分
県道134号線に一部がかかっているとも想定されている
西側を平原用水、東側を繰矢川の支流に挟まれた台地地形切岸地形も散見されるが耕作地整備との関係も想定される
凸馬瀬口城(長野県御代田町)
15時25分から15時35分
県道134号線を挟み南北に城跡遺構の形跡が分散
そのなかで比高差約5mを測る柵口神社境内がよく目立つ存在
この地点では繰矢川が東西方向に流れている
このことから長泉寺が所在する馬瀬口集落の南側台地との境の公道部分が気になる
これが後世の人工的な切通しであると想定するとこの神社境内は北側に張りだした台地先端部ということになる
しかしこの周辺の大地が火山灰地であることから考えると大雨などによる流路変遷も想定されるので次第に訳が分からなくなってくる
※航空写真分析を検討する
凸十石城(長野県小諸市)
15時55分から16時55分
近くのローソンで買い物をして徒歩でアプローチ
用水路、自然の谷、耕作地、生い茂る夏草などに阻まれすべては確認できず
用水路といっても大地を掘り込んた最深部では深さは8m前後の個所も
そうかと思えば上信越道を跨ぐ個所ではコンクリートの筐体として陸橋沿いを横断
郭跡は概ね耕作地化を遂げている様子だが堀跡とともに凡その地形が推定できる
なお未確認となった東側の郭跡は針木沢城方面からある程度は観察できる可能性もあったらしいことにあとから気づいた(^^ゞ
しかしそのためだけに再訪するという意欲はすぐには湧いてきそうにもない
ということで、日差しも次第に傾き始め計13か所の探訪は幕引きとなった
単独の城跡めぐりでは、まず午前中の6か所+α程度で撤退の予感
夏場という制約もあり括目する遺構は数多くはなかったが、どうにかこれだけの数をこなせることができた
ご同行、ナビゲートいただいた軍曹さんに感謝
以前は上信越道というと標高1200m近くまで登るため敬遠しがちであったが、車の性能も改善されて軽でもそれほどストレスなく走行できることが確認できた
おそらくこの秋以降も信州方面に赴くことが増えそうな予感がしてきた
真夏の遠征で2桁はなかなかできないです
遺構もある程度残っていたのが意外でしたね
しかし新幹線開通後の小諸の寂れかたといったら
信越線華やかなりし頃は特急停車駅でしたが
遺構の少なさに宮崎城あたりで打ち止めとなるかと思いましたが、やはり同行者の存在は有り難いものでございます
お蔭さまで夕方までモチベーションが維持できました
あらためて、お礼を申し上げます
上田市内を含めて久しぶりに凹凸のある地面を目にいたしますと嬉しくなります ^^
たしかに標高は高いのですが、なるべく上りはほとんどないところばかりを選びました~
今季は本格的シーズンの到来まで小諸近辺で足慣らしをしていようと考えております
コメントありがとうございました <(_ _)>