本来は中世城館跡めぐりがテーマのはずでありました。もっとも最近は加齢と共に持病が蔓延し本業が停滞傾向に...このためもっぱらドジなHP編集、道端の植物、食べ物、娘が養育を放棄した2匹のネコ(※2019年11月末に天国へ)などの話題に終始しております (2009/05/21 説明文更新)
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とうとう5回目となる横浜市内の城跡めぐりになりました。
この日も予定通り自宅を午前4時半に出発。
定刻通り午前6時43分、JR横浜線中山駅に到着。
今朝は全く飲まず食わずなので、カロリー補給のため駅前のローソンでビーフカレーパン1個を購入。
さすがに「袋に入れますか」とは聞かれずにシール貼付のみ。
小銭が財布に貯まるのが面倒で、委細構わずにカード購入。



小山(こやまじんや、横浜市緑区小山町) 7時30分から7時50分
JR横浜線中山駅から恩田川に沿って徒歩約1500mほど。

中山駅北口で下車し駅前外れの公園で先ほど購入したカレーパンで朝食。
より正確に言えば、カレーパンを食べながら公園に向かいそこで完食。
近年では大分減ってきたとはいえ、横浜市内も緑区のこの恩田川沿いの低地になると、まだ所々水田耕作もされていて青苗が元気に生育を始めていました。

開幕前の文禄年間に、旗本荒川長兵衛重世がこの小山村を知行した頃の陣屋跡と伝わります。
最初は「古城址探訪」さんのサイト情報をたよりに、地元の農園のあたりをふらふら。
恩田川沿いの自然堤防のような微高地です。
くわえてこの時点で、すでに蒸し暑さのために汗だくとなり足取りもふらふら。


   1.先日訪れた榎下城      2.小山集落の一角


次にもうひとつの可能性として旧小山町北西境付近も訪れてみました。
無論、現代になり小山村は西八朔町から一部編入をうけているようなので、町名とその境界の変遷を詳細に調べてみる必要があります。
これは「新編武蔵風土記稿」に「村の西北の隅にあり」という記述をあくまでも字義どおりに解釈してみたもので、それ以外に根拠のあるものではありません。
前者と同じような自然堤防の微高地ですが、なんといっても集落外れの道の曲がり具合がよかったのです ^_^;


  3.小山集落北西境付近



八朔陣屋(はっさくじんや、横浜市緑区北八朔町) 午前8時50分から9時10分
小山陣屋付近から北方の丘陵越えで徒歩約2300mほど。

なにげに唾液が刺激され、耳下腺にちょっとした違和感を感じるような地名でもあります。
小山陣屋からひと丘越えるルート沿いの地形にも興味がわきます。

 
1.世尊院までの丘陵越えルート      2.同 左


   3.谷戸の開墾地形        4.美しい崖線部


「城郭大系」「新編武蔵風土記稿」などにより推定されている陣屋跡は現在の世尊院境内ですが、境内自体は約500平方メートルにも満たないような丘陵中腹の狭隘の地です。
しかしこれに境内背後の墓地続きの削平地2か所を含めてると、約1500平方メートルくらいとなり「新編武蔵風土記稿」の「一反八畝」という記述にはおおむね合致はします。

しかしここで少しややこしいのは、西八朔村と北八朔村の関係。
元々は一村であったものが、近世以降に分村して、現代になり一部が北八朔と西八朔町の間で編入交換されているようです。
この辺りのことを調べ始めると明治初期の町村合併に始まるその後の経緯を追わねばならず、机の周りが資料の山積みとなり収拾がつかなくなりそうなのが怖いのであります。


    1.世尊院本堂       2.同寺境内からの眺望


   3.墓地脇の削平地

「所領役帳」によれば後北条氏家臣の笠原氏の所領とも。
近世に入り久世氏の所領とされた時期もあるようなので、その人物関係を含む明確な伝承が遺されていないということは、ため池工事が行われた際に笠原氏関係の屋敷跡を一時的に再利用したという可能性もあるようにも思われました。
無論あくまでも可能性のひとつとしての空想であります。



谷本城(やもとじょう、横浜市青葉区藤が丘) 午前9時40分から10時20分
麓との比高差は約20mほど。

「新編武蔵風土記稿下谷本村の条」に「台山 村の中央にあり、また馬場台ともいえり、このあたり城跡なりといえり 」がほぼ唯一の城館跡としての手がかりですので、あくまでも伝承の域を出るものではないようです。

北東には東名横浜青葉インターがあり台地東端部には谷本小学校が所在。
こちらも「古城址探訪」さんのサイトを参考にさせていただきました。
住居表示以前は下谷本町の範囲で、現在は藤が丘と命名。
すぐ南側の千草台公園から丘陵の様子を撮影、と思ったら、何と「台」と名がつく公園は谷底に存在していしました。
比高差20m前後の宅地開発された低丘陵の場合には、等高線情報が曖昧であることが多く地図上からの地形判断に苦労します。


    1.谷本小学校       2.谷本小学校脇の坂道


 3.東側東名インター側から


もう一つは杉山神社がその中腹に鎮座する南側の千草台付近も訪れてみました。
こちらもほぼ同様の台地地形で、両台地の谷戸に存在しているのが前記の千草台公園にあたります。


    4.千草台の坂道       5.杉山神社社殿

明らかに事前の準備が不足しており、あらためて地元郷土史、伝承関係の文献などを当たらねばと思う次第です。



上原館(横浜市青葉区市が尾町) 午前10時50分から11時25分

一般に真言宗東福寺が上原氏の館址と推定されています。
前記の谷本城の対岸台地に所在し、その距離は約800mほど。
境内西側に高さ2mほどの古塚もあります。
これを城跡に関連する土塁、櫓台などと見るかどうかは何ともいえないところです。
むしろ同寺が所在している台地の切岸状地形が印象的でした。
「横浜の戦国武士たち」(2012年/下山治久 著)によりますと、上原氏は後北条氏滅亡後に市が尾に帰農し、その後は代々名主を務めたということです。


   1.東福寺西側崖線部        2.左 同


   3.真言宗東福寺本堂     4.浅間塚或いは古墳


上原氏が開基と伝わる曹洞宗朝光寺も訪れました。
「新編武蔵風土記稿」には「五輪塔」が所在すると記載されていましたが、見当たりませんでした。
立地条件はこちらの方が眺望も良好で、谷本城方面も一望できるはずなのですが、東名自動車道が障害物となって視界を妨げておりました。


   5.曹洞宗朝光寺山門     6.同寺駐車場からの眺望



荏田城(えだじょう、横浜市青葉区荏田町) 12時25分から13時00分

事前の情報のとおり私有地のため立入不可。
東名側道方面から切岸のラインを目にすることが主目的。
この季節ゆえ事前の不安は的中。
予想に違わず叢生する草木しか見えないという景観。
また、南西部の標高の高い個所が城域ではないことに些かの違和感も。


    1.深坪橋から      2.城跡はこちらの方らしく


   3.やはり見えない


ここで念のため歯を食いしばり少し迂回。
せっかくなので北東側の東名高架下からも拝見を試みました。
しかし努力の甲斐もなく、やはり眼前には濃緑の丘陵風景が広がるのみでした。


   4.東名高架下から

この日の気温は30度前後、時々日差しが雲隠れ。
それほどの暑さではないものの、何と言っても90% 前後という高湿度。
かいた汗が全く乾かないので体の冷却機能も半減。
このため、持参した経口補水液以外にも自販機で4本の水分補給。

さて藪蚊に食われることを厭わなければ、まだまだ3か所くらいは廻れそうな時刻。
しかし、それよりも最初の一か所目の終わり頃から早くも左足に違和感。
痛み止め服用と、用意していた足回りの応急処置が無ければ2か所目くらいで撤退の可能性も。
遺構も所在も定かではない4か所に、遺構はあれども近づけないという城跡1か所という次第。
それでも足を引きづりながらもどうにか30000歩、約20kmに。
当所の予定通りの5か所でも健闘に値と自画自賛し引き揚げ。

 本日の総費用は、
往復の電車賃1544円、
これに市が尾から荏田までの一駅分が170円、
昼食代が800円、
ビーフカレーパン126円、
自販機飲料代460円、
以上で計3100円也。

今後のことは、足の痛み(⇒踵骨棘または足底腱膜炎など)と気力次第に。
「神奈川県城跡めぐりの旅」は、これから先まだまだ続くのかどうか本人にも不明。

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五分の勝利
こんばんはー
今回のお城巡りも歩かれたようですね。
以前折りたたみの自転車があれば行動範囲が広がっていいなーと思って、購入検討した時期がありました(予算が下りず却下)
今五十子に攻め込むか、「当方滅亡」の地に訪れるか、小田原評定中です(汗)
足の方、御養生下さい。
みかづきぼり URL 2016/06/29(Wed)20:52:29 編集
Re:五分の勝利
こんばんは。

20kmくらいは朝飯前であります。
普段出かけるときには朝食抜きですので ^^

市街地の場合の自転車は坂が少なければ確かに便利ですね。
横浜方面では電動アシストでないと登れそうもないところも見受けられます。
それ以前に都市計画法施行以前の宅地開発では、階段ルートしかないような地域もあったりしました。

ご心配忝く存じます。
「ニューバランス」のウォーキングシューズを本日入手致しました。
5年ぶりくらいに軽く走ってみましたが、踵などへの負担が少なそうで、お陰様でいままでよりは改善できそうです。
【2016/06/29 21:37】