本来は中世城館跡めぐりがテーマのはずでありました。もっとも最近は加齢と共に持病が蔓延し本業が停滞傾向に...このためもっぱらドジなHP編集、道端の植物、食べ物、娘が養育を放棄した2匹のネコ(※2019年11月末に天国へ)などの話題に終始しております (2009/05/21 説明文更新)
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某有名歴史学者の一般向けに書かれた戦国時代の著名な合戦をめぐる文庫本を読書中。
NHKの「その時歴史は動いた」などのゲストとしてよく登場する方かと。

さて事前の予想に違わず引用・出典の曖昧な個所が目立ち些か気になることもしばしば。
一般向けに書かれた内容であればこそ、歴史を語るからには引用文献などの出典を明確にしその学術的な評価を明示することが肝要かと。

具体例のひとつとして、有名な桶狭間の合戦についてまず旧来の定説であった迂回奇襲説を否定。
然し太閤検地の石高による今川・織田両軍の戦力分析を示しながらも、何故か従来の戦力比をもとにして「正面からの奇襲戦」というやや不可解な見解を提示。
合戦後の論功行賞における簗田出羽守の情報収集に関する戦巧の記述についても、その出典(「備前老人物語」か)を明示せず文献としての評価を行わないなどの曖昧な姿勢が気になります。

また有名な永禄4年の川中島の合戦時の武田・上杉両軍の戦死者数を多少割り引いてはいるものの合計8千人とする見解も甚だ疑問に思えます。
仮に同数程度の損害を出しているとすれば最早軍役体制が崩壊し領国の維持さうも困難なほどのダメージとなってしまうはずです。
武田氏、上杉氏の双方とも翌年には上野や武蔵に派兵しているという経緯から考慮する限りこの数値には信じがたいものがあります。

また、歴史学者としての見解なのか学界の定説なのか判然としない個所も散見。
見解に関する責任の所在が曖昧なだけではなく、歴史的事実の捉え方も不明瞭。
なお、単行本(1994)から文庫化(2004)されるにあたり所要の加筆訂正も行われていない模様。
従って余り参考にはならないという意味では大いに参考になる著書なのかとも思った次第にて。

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